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「歌う電車」。動き出す時の音が音階のように聞こえるため、そう呼ばれて親しまれている車両が京急電鉄にある。モーターのノイズを、「消せないなら、いっそ音階に」という遊び心から生まれたが、新車両の導入に伴い、今後5~10年で姿を消すことになりそうだ。当初は「耳障りだ」という声もあったというが、新旧交代で耳にする機会が少なくなるにつれ、名残惜しい「調べ」に感じるかもしれない。 

歌う電車は、98年2月から登場した「2100形」と、02年2月から順次導入された「新1000形」の1、2次車の計136両。

 「美声を発するノド」の役割を担っているのがシーメンス(ドイツ)製のモーターだ。電子楽器のような音色を奏で、誰が名付けたのか、「ドレミファインバーター」と呼ばれる。

 発車する際、速度を上げ、モーターへ流れる電流の周波数を段階的に引き上げると、音もつられて上がっていく。これが「歌う」メカニズムだ。「耳障りな音を音階にしてしまえという、シーメンスの遊び心からの発想」(京急広報宣伝担当)らしい。

 「耳障りだ」という苦情もあったが、「何の音なのか」「どこから聞こえてくるのか」などという問い合わせも多く寄せられたという。

 だれかが音階を調べ、「ファ・ソ・ラ・♭シ・ド・レ・♭ミ・ファ・ソ~」に近いことも判明。京急の依頼で、この音階を取り込んだ曲をロックバンド「くるり」がつくった。この曲が05年7月から1年ほど同社のテレビCMで流されたことで歌う電車はさらに知られるようになった。

 しかし、2100形の製造はすでに終了。新1000形も3~5次車では、同じシーメンス製でも「歌わない」モーターが採用され、さらに「外国製は修理や部品調達に時間がかかる」として最新の6次車では国産のモーターが使われている。

 このため、歌う電車は現在の136両をピークに徐々に姿を消す運命だ。ドレミファインバーターに使われている半導体の耐用年数は10~15年。だが、そのころには交換部品が手に入らない可能性があるため、京急のすべての電車は5~10年で「歌わなくなる」見込みだという。

 京急は「車両が愛されるのはうれしい。でも、電子機器は早めの対処が必要。安全面や乗り心地などを優先していきたい」(広報宣伝担当)としている。(鈴木剛志) 

asahi.com

えー残念ですねぇ・・・

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