神奈川県綾瀬市で2日未明に知的障害者施設「ハイムひまわり」が全焼し4人が死傷した事件で、殺人と現住建造物等放火容疑などで逮捕された施設の建物所有者で元管理人の無職、志村桂子容疑者(64)=同市寺尾北1=が施設の賃貸契約を巡るトラブルなどを挙げ「施設管理者や住人のいじめを受け、施設と折り合いが悪くなり、火を付けてなくしてしまいたかった」と供述していることが県警の調べで分かった。
志村容疑者は放火容疑を認めつつ殺意は否認するが、階段下の物置に放火すると2階入居者は逃げられないことなどから県警は殺人容疑を適用した。
調べでは、志村容疑者は2日午前2時20分ごろ、同市寺尾北1の施設1階物置に火を付け、木造2階建て施設約320平方メートルを全焼させ、男女3人を殺害し、男性1人に重傷を負わせた疑い。
志村容疑者は「施設内の洗濯機を貸してもらえなかった」「風呂をただで使っていると陰口をたたかれた」とも釈明。90年ごろからうつ状態を訴え通院。昨年12月にも不眠で通院していたという。
関係者によると、志村容疑者は7、8年前からカンボジアの教育支援のNGO(非政府組織)を手伝い、現地に赴くことも。「奉仕の人」と評された。
一方、ハイムを巡り、建物返還を求めて来年明け渡し予定になり、管理人の賃金を減らされ不満を漏らしたりしていた。5月にはコンサートチケット300枚を無断コピーして主催者に謝罪、周囲とトラブルも抱えていた。
施設を運営する社会福祉法人の小原勉理事長(74)は16日の会見で「『社会貢献をしたい』という夢と(現実の)ギャップがあったのかもしれない」と漏らした。【長真一、山衛守剛、池田知広、高橋直純】
毎日新聞
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